物置の見積書には、オプション欄が並んでいます。いま決めなければいけないのか、後からでも足せるのか。先に結果を書くと、多くは後からでも頼めますが、公式が「設置後納入はできません」と書いているものがあります。

タクボは、オプションごとに「設置後納入」の可否を書いている

タクボ(田窪工業所)のオプションのページは、品目ごとに「セット納入」と「設置後納入」のどちらを選べるかが書かれています。多くは両方選べます。できないと書かれているのは、確認できた範囲では次の2つです。

明かり窓 ── 設置後納入はできません。

サッシ窓(壁パネル2枚用)── 設置後納入は、できません。

どちらも壁に開口をつくる部材です。本体を組んだあとでは手を入れにくい、という違いが、そのまま納入の区分に出ています。

同じことが屋根にもあります。タクボのQ&Aには、標準型と結露減少型の違いの説明に、こうあります。

※設置後の変更はできません。

結露減少型は屋根部材の室内側に発泡ポリエチレンを貼ったもので、屋根そのものが違います。見積もりの段階で決める項目です。

棚は、公式が段数とピッチを出している

棚は迷いやすい項目です。公式が数字を出している範囲を、メーカーごとに並べます。

ヨドコウ ── 100mmピッチ、庫内は標準11段階

ヨドコウのエルモのオプションのページに、高さ調整の刻みが書かれています。

棚の高さ調整は100mmピッチで標準タイプ11段階、背高タイプ15段階です

オープンスペース(側面)に付ける棚は、同じ100mmピッチで標準8段階・背高10段階。大型棚は1セット2枚で、強度上2段までと書かれています。

イナバ ── 「棚支柱セット」が機種の記号ごとに分かれている

イナバのフォルタのオプション一覧には、棚支柱セットが機種の記号ごとに6種類(BHD/KHD/BS・BSH/JS・JH/US・UH/DS・DH)並んでいます。ほかに窓下棚と棚下引き出しがあります。

タクボ ── ロフト棚に耐荷重の数値がある

Mr.トールマン ダンディのオプションのページに、ロフト棚の耐荷重が出ています。JN-RT07Sが20kgまで、JN-RT14Sが40kgまで。付属棚・別売棚の耐荷重は、このページには見当たりません(別のPDFとされています)。

訂正 ── 「ヨドに棚柱はない」は取り下げます

この記事では以前、「ヨドの棚は棚柱で100mmピッチ」という説明は正確ではない、と書いていました。確かめ直したところ、100mmピッチはヨドコウの公式に書かれている数値でした。

棚柱という仕組みを使っているかどうかは、ヨドコウの公式に記載が見当たりません。否定できる根拠がありませんでした。なお「支柱」という言い方で部材を出しているのはイナバで、フォルタのオプションに棚支柱セットがあります。

耐荷重の数字が出ているもの

耐荷重は、公式が数字を出している項目と、出していない項目に分かれます。確認できたのは次のとおりです。

  • ヨドコウ 壁掛けフック ── フック1個あたり3kg
  • ヨドコウ 床補強セット ── 12,000N/m²(標準品の2倍、約1,200kgf/m²)
  • タクボ ロフト棚 ── JN-RT07S 20kgまで/JN-RT14S 40kgまで

庫内の環境については、3社とも注意を書いています。タクボのQ&Aにはこうあります。

庫内は高温、多湿になり、結露も発生します

棚に載せる物を考えるときは、この前提が先に来ます。なお、ここに挙げた数値は確認した時点のもので、機種とオプションの組み合わせによって変わります。実物は見ていません。

転倒防止の工事だけは、オプション欄の他のものと分けて見る

ここまで「基本は要らない」という話をしてきました。ただ、転倒防止の工事だけは、この話に含めません。 見積書ではオプション欄に並んでいても、3社とも公式の資料で「必ず行う」と書いているものだからです。

転倒防止の工事は、物置を地面や基礎に固定して、倒れないようにする工事です。3社が何と書いているかを、順に見ていきます。

3社とも「必ず」と書いている

イナバは、よくあるご質問にこうあります。

強風など様々な要因で転倒する恐れがありますので、必ずアンカー工事をするようにしてください

組立説明書でも、冒頭に並ぶ注意の1番目が「転倒防止工事を必ず行ってください」で、本文にも「※転倒防止のためにアンカー工事は必ず行ってください」とあります(フォルタ FS-5W6)。

ヨドコウは「安全に関するご注意」です。

アンカー工事等の転倒防止工事を必ず行ってください。アンカー工事は組立説明書に記載されている規定量を守り施工してください

タクボは組立説明書です。表紙に「強風時などに備え、転倒予防措置には十分なご配慮をお願いします」とあり、組立施工上のご注意に「転倒予防のために、所定の基礎打設作業を必ず行ってください」、アンカープレートの取付の項に「転倒予防のため、必ず転倒予防措置を行ってください」とあります(Mr.ストックマン ダンディ ND-2208)。

「囲まれていれば不要」は、公式に見当たらない

家の壁や塀に囲まれた場所なら転倒防止の工事は要らない、という説明があります。この記事でも、以前はそう書いていました。

3社の公式資料を当たり直しましたが、設置場所の条件で転倒防止の工事が不要になる、と書いているものは見当たりませんでした。 上に挙げた3件は、いずれも場所を限らずに「必ず」と書いています。囲いの有無や、風が抜けるかどうかに触れた記述もありません。

公式に見当たらないので、ここでは不要になる場合がある、とは書きません。

ヨドコウだけ、固定の方法が2通り書いてある

3社で書き方が分かれる点がひとつあります。ヨドコウは、同じページで方法を2通り挙げています。

強風による転倒防止対策が必要です。アンカープレートを使用してアンカー工事をしてください。または転倒防止金具を利用して母屋などに固定してください。組み立てをする前に、コンクリートまたは針金(線径1.6mm以上)をご用意ください

コンクリートを打つ方法と、母屋に留める方法です。イナバとタクボの資料に、この「または」に当たる記述は見当たりませんでした。

地面の状態で変わるのは、使う部品のほう

タクボの組立説明書には、条件で変わる記述があります。

※土間が土の場合で、ブロックの高さが120mmを超える時のみ、アンカープレート小(4枚)と短いネジ(8個)を使用します

変わるのは使う部品で、転倒予防措置そのものが要らなくなる、とは書かれていません。

なお、転倒防止の工事に必要なまわりの余裕について、数値を出しているのはタクボのQ&Aだけです。左右と後ろに、アンカー工事を行う場合は20cm以上、とあります。

まとめ

  • オプションの多くは後からでも頼める。タクボが「設置後納入はできません」と書いているのは、明かり窓と、壁パネル2枚用のサッシ窓
  • 屋根の結露減少型は「設置後の変更はできません」。見積もりの段階で決める項目
  • 棚の段数とピッチを数値で出しているのはヨドコウ(100mmピッチ、庫内 標準11段階・背高15段階)
  • 耐荷重の数値が公式に出ているのは、ヨドコウの壁掛けフックと床補強セット、タクボのロフト棚
  • 転倒防止の工事だけは別枠。イナバ・ヨドコウ・タクボとも、公式の資料に「必ず行う」と書いている
  • 設置場所の条件で不要になる、と書いた公式の記述は見当たらない。「壁や塀に囲まれていれば不要」も公式には無い
  • ヨドコウだけは、アンカー工事と「転倒防止金具で母屋などに固定」の2通りを挙げている