物置の見積もりを前にすると、オプション欄がずらりと並んでいます。つい「一応これも付けておいたほうが安心かな」と迷う場面です。

先に結論をお伝えします。オプションは基本的にほとんど要りません。

ただし、転倒防止のアンカー工事だけは話が別です。ここは他のオプションと同じ枠で考えない、という前提で読んでいただければと思います。

オプションは、基本的にほとんど要らない

カタログのオプション欄には、棚の追加、床の補強、換気パネル、明り窓など、たくさんの選択肢が並びます。

ただ、施工の現場から見て「これは付けてよかった」と施主さんに案内する数少ないもの、というのは、正直あまりありません。標準の状態で不便なく使えることのほうが多いからです。

見積書のオプション欄が空欄でも、物置の性能が足りないわけではありません。まずは標準で考えて、必要が見えてきたときに足す。その順番でも、たいていは間に合います。

棚は「先に足しておく」より、まず様子見

オプションのなかでも迷いやすいのが棚です。

ネットでは「標準の棚だけでは足りず、使い始めてすぐ物があふれる。だから棚は先に足しておくとよい」とよく言われます。

ただ、実際に納品してきた感覚では、不便なく使えることのほうが多く、まずは様子見で構いません。 使ってみて足りなければ、そのとき追加すれば済みます。

例外は、嵩張らないものを多く置く場合です。小さくて数の多いものをたくさん収めたいときは、標準の棚だけでは棚板の枚数が足りず、追加を頼まれることがあります。ここに当てはまりそうなら、最初から相談しておく、という選択肢もあります。

棚については、区分やメーカーで違いがあるのか、という質問もよくいただきます。

小型(収納庫)と中型・大型とで、棚の付け方や動かしやすさが大きく変わることは、基本的にありません。 一方で、メーカーによる違いはあります。ただ、それが具体的にどう違うのかは、ここで断定できるだけの整理がまだできていません。分かった時点で、あらためて記事にします。

ひとつ、ネット上の説明で事実と違うものがあるので触れておきます。「ヨドの棚は棚柱で100mmピッチ」という説明を見かけますが、ヨドに棚柱はありません。 ではどういう仕組みなのか、という点はこちらでも確認できていないため、ここでは「その説明は正確ではない」とだけお伝えしておきます。

棚板の耐荷重の数値なども載っています。ただ、カタログには「集中荷重や衝撃には耐えない」という注記が付くのが通例です。数字だけで判断できるものではありません。

「後から付けにくい」ものがある、という事実

床補強・換気扇パネル・明り窓については、組み立てのときに一緒に頼まないと、後から付けにくい、という事実があります。物置を建ててしまってからでは、手を入れづらい部分だからです。

これは「だから先に付けておきましょう」という話ではありません。要るかどうかは、置く物や使い方によります。

ただ、「後からでは付けにくいものがある」と知っておくと、見積もりの段階で一度立ち止まって考えられます。付ける・付けないは、そのうえで決めていただければと思います。

結露軽減材(天井の裏に貼る、結露を抑えるための材)についても一言。これは破れやすく、扱いに注意が必要な材料です。付けるかどうかを含め、扱いの難しさがあることは頭の隅に置いておいてください。

アンカー工事だけは、切り分けて考える

ここまで「基本は要らない」という話をしてきました。ただ、転倒防止のアンカー工事だけは、この話に含めません。 安全に関わるので、他のオプションと同じ枠では考えない部分です。

アンカー工事は、物置を地面や基礎に固定して、倒れないようにする工事です。判断の目安はこうなります。

想定できない規模の台風が来ることがあるので、基本は必須と考えています。 そのうえで、家の壁や塀に囲まれた場所であれば不要です。

ここで言う「囲まれている」に、フェンスは含みません。隙間があるぶん、風が抜けてしまうからです。 見た目には囲われていても、風を止められていなければ、囲いとしては数えません。

ご自宅の設置予定地を思い浮かべて、風が抜けるかどうかで見てみてください。ここは「一応」で決めるより、置き場所を見て判断する部分です。

まとめ

  • オプションは基本的にほとんど要らない。標準でも不便なく使えることのほうが多い
  • 棚は「先に足す」より、まず様子見。例外は嵩張らないものを多く置く場合
  • 床補強・換気パネル・明り窓は「後から付けにくい」という事実がある。付ける・付けないは使い方で判断を
  • 転倒防止のアンカー工事だけは別枠。基本は必須、ただし家の壁や塀に囲まれた場所なら不要(フェンスは隙間があるので数えない)

迷ったら、一度ご相談いただくこともできます。