物置のサイズで迷ったら「一回り大きく」。よく聞く言葉です。
でも、その前に確かめておきたいことがあります。
あなたの物置、「どこに、どう置くか」を、誰が決めますか。
実は、その置き方を決めている人が、どこにもいないことがあります。
カタログにもプロにも、「置き方」の答えは載っていない
物置のカタログには、サイズも色も扉の種類も細かく書かれています。
けれど「敷地のどこに、どの向きで置くか」は書かれていません。
カタログが答えるのは「何を買うか」まで。「どう置くか」は範囲の外です。
では、設置に来る業者が、いちばん使いやすい位置を決めてくれるのか。
ここも、思っているのと違うかもしれません。
業者は現場で細かい調整をすることはありますが、基本的には施主(家の持ち主)の希望どおりに置きます。
「ここに、この向きで」と指定されれば、そのとおりに据えます。
つまり、「プロが最適な位置を選んでくれる」場面は、実はあまりありません。
残るのは、施主自身が決めるしかない、ということです。
専門家に相談しないまま買うと、設置場所ギリギリのサイズを選んでしまい、置いたあとで使い勝手が悪くなることがあります。
選んだ人が悪いというより、置き方を考える人がいないまま話が進む、という仕組みの問題です。
「一回り大きく」より先に、「どう置くか」
ここで「一回り大きく」に戻ります。
この言葉自体は、収納の余裕という意味では頼りになります。
ただ、規格の中でサイズを選んでいる限り、少しくらい小さくしても致命的に困ることは、そう多くありません。
一方で、置き方はやり直しがききにくい部分です。
いったん据えて基礎を組んでしまえば、向きを変えるのも位置をずらすのも簡単ではありません。
だとすると、時間をかける先は、「もう一段大きいサイズにするか」よりも「この敷地に、どう置くか」です。
扉をどちらに向けるか。どの面を壁に寄せるか。前に立つスペースをどこに取るか。
サイズの数字を上げ下げするより、この置き方のほうが、あとの使い勝手に効いてきます。
壁との間は、どれくらい空けるか
置き方を考えるとき、多くの人が迷うのが「壁や塀との隙間をどれだけ取るか」です。
各社の説明では、点検・掃除・サビの確認のために、壁や塀との間は10〜20cmほど空けるのが標準とされています。
まずはこれが一つの目安になります。
そのうえで、設置作業をして、そのあと掃除や点検までできる最低ラインとなると、体感ではもう少し詰められます。
あくまで目安ですが、小型(収納庫)なら壁との間は5〜10cmほど。
中型・大型なら10cmほど。
区分によって、必要な余白は変わります。小型と中型・大型では、確保したい余白が違うということです。
各社が案内する10〜20cmは「推奨の値」であって、それより狭いと成り立たない最低ラインではありません。
敷地が窮屈なとき、どこまで詰められるかの目安として、区分ごとに頭に入れておくと選択肢が広がります。
※ここで挙げた5〜10cm・10cmは、実際に測った数字ではなく、作業の体感からの目安です。壁の高さや周りの状況でも変わります。
何が入るかは、サイズより「形」で決まる
収納で困るかどうかは、物置の大きさそのものより、入れたい物の形と、それに合う寸法かで決まる部分があります。
脚立や長尺物(長い物)が入るかは、おおむね奥行きと高さで決まります。
ただし、タイヤを入れたいなら、奥行きと高さだけでなく間口(正面の幅)も大事になります。
「奥行きと高さがあれば入る」と考えていると、幅で引っかかることがあります。
タイヤを想定しているなら、間口もあわせて見ておくと安心です。
扉まわりも見ておきたいところです。
一般家庭向けの物置は、多くが引き戸です。
引き戸なら、開き戸のように扉の前に開くスペースを大きく取らずに済みます。
前がやや狭い場所でも置きやすい、というのは引き戸の利点です。
なお、物置を据える基礎ブロックは、通常は物置の販売店が用意します。
基礎まで自分で手配する必要は、基本的にありません。
まとめ
物置のサイズを決める前に、一度立ち止まりたいのは「置き方を決めるのは自分だ」ということです。
- カタログには置き方は書いていない
- 業者は基本、施主の希望どおりに置く(細かい調整はあっても、位置を決めるのは施主)
- 規格の中で選ぶなら、サイズを少し小さくしても致命的に困ることは多くない
- 壁との間は各社の案内で10〜20cm。詰めるなら、目安として小型は5〜10cm、中型・大型は10cmほど
- 何が入るかは奥行きと高さで概ね決まるが、タイヤなら間口も見る
「一回り大きく」という言葉は、そのままでも間違いではありません。
ただ、同じ手間をかけるなら、サイズの数字と一緒に「どう置くか」も自分で決めておく。
それが、置いたあとの使いやすさにつながります。
迷ったら、一度ご相談いただくこともできます。