物置設置で本当に難しいのは、組み立てではない

物置を自分で置こうとする人の多くが、まず身構えるのは「本体の組み立て」です。

でも、何百台も設置してきた立場から言うと、難しいのはそこではありません。

地面が土や砂利のとき、本体を組むことより、ブロックを水平に置くことのほうが遥かに難しい。素人がつまずくのは、ほぼこの一点です。

そしてこの水平出しをしくじると、あとからとても分かりにくい形で問題が出ます。

扉は閉まるのに、鍵だけ掛からなくなる

下に敷くブロックが水平でないと、本体がわずかに歪みます。

そこで起きるのが、少し想像しづらい現象です。

ブロックが傾いていると、扉は閉まるのに鍵だけ掛からなくなることがあります。

「扉が閉まらない」なら、その場ですぐ気づきます。

でも実際に起きるのは、扉はちゃんと閉まるのに、鍵の受け金具だけが合わない、という状態です。

組み上げた直後は問題なく見える。気づくのは後日です。

荷物をしまって、戸締まりしようとしたとき。閉まるのに、鍵だけがカチッといかない。「あれ?」と何度もやり直して、はじめて気づきます。

見た目には分からないほどのわずかな傾きでも、鍵のように噛み合わせが決まっている部分では、影響が出ることがあります。
これは実際の現場で何度も見てきた現象で、どの程度の傾きから起きるかを計測したものではありません。

設置の勝負は、本体ではなく、その下の水平で決まります。

水平を見る道具

水平を見る道具は、業者によって分かれます。

  • レーザーレベル
  • 気泡タイプのレベル(水平器)

どちらを使うかは人によります。いずれにしても、目視や勘で合わせられるものではありません。

地面の種類でやり方が変わる

水平出しの難しさは、地面が何でできているかで大きく変わります。

土・コンクリート・砂利。それぞれ据え方が違います。

土の場合

土なら、高いところを削って、低いほうに高さを合わせるのが基本です。

土は削れるぶん、調整が効きます。3種類のなかでは標準的な難易度です。

コンクリート・アスファルトの場合

コンクリートやアスファルトは削れません。

そのため、スペーサー(薄い調整材)をかませて高さを合わせます

地面に固定したい場合は、モルタルで調整します。ただしこれは、時間も費用もかかります。

砂利の場合が、いちばん厄介

いちばん手を焼くのが、砂利です。

砂利敷きの上にブロックをそのまま置くと、グラつきます。安定しません。

ではどうするか。砂利をどかして、その下の土の上にブロックを置く必要があります。

「砂利の上に平らに並べればいい」と思いがちです。でも、それだと動いてしまう。

ひと手間かけて砂利をよけ、土を出す。そこで水平を取る。これが正解です。

庭を砂利敷きにしている家は多いので、自分で置こうとしている場所が、まさにこのケースということもよくあります。

ここが3種類のなかで最も難しい、と覚えておいてください。

設置後に、あとから傾くこともある

水平に置けたとしても、時間が経ってから傾くことがあります。

主な条件は次の3つです。

  1. 一箇所に大きな荷重がかかったとき
  2. 砂利の上に置いている場合、砂利がズレて傾く
  3. 大雨で地面が緩んだとき

ここでもまた、砂利が出てきます。

砂利の上に直接置くと、設置直後だけでなく、後々の傾きの原因にもなります。

プロが組むとどれくらいかかるか

参考までに、プロが設置する場合の時間の目安です。計測したものではなく、現場での体感による目安として読んでください。

いずれもアンカー工事なしという条件つきです。ここは押さえておいてください。

  • 小型(エスモ/シンプリー/グランプレステージ など):2時間前後
  • 大型(エルモ/ストックマン/フォルタ など):3〜4時間程度

これは、水平が出せる前提で本体を組む時間です。

土や砂利の水平出しでつまずけば、ここに時間が上乗せされていきます。

本体だけ自分で買うときの落とし穴

最後に、自分で買う人が見落としやすい点を2つ。

ひとつは、ブロックです。

基礎に使うブロックは、通常は物置の販売店が用意します。

逆に言うと、本体だけを自分で買った場合、ブロックは誰も用意してくれません。

水平出し以前に、そもそも土台の材料が手元に無い。そんな事態が起こり得ます。

もうひとつは、サイズです。

販売店のスタッフに相談せずに買うと、設置場所ギリギリのサイズを選んでしまい、扉の前が狭くて使いにくい、ということになりがちです。

まとめ

物置設置の本当の難所は、本体の組み立てではありません。その下の、ブロックの水平出しです。

とくに砂利敷きの地面は、砂利をどかして土の上に置く必要があり、いちばん手がかかります。

そして水平がズレると、扉は閉まるのに鍵だけ掛からないという、あとから気づく厄介な形で表れることがあります。

「自分でやれるか」を判断するときは、本体を組めるかどうかより、この水平をきちんと出せるかどうかで考えてみてください。

迷ったら、一度ご相談いただくこともできます。