物置を検討するとき、多くの人は置きたい場所の広さを測ります。でも「その広さに入るか」と「そこに据えられるか」は、別の話です。
同じ寸法の空きスペースでも、屋上やベランダには据えられません。足元の木の切り株や太い根が広い範囲に干渉して、見送ることもあります。
ここでは、広さの外側で置ける・置けないが分かれる場所を、施工の現場から並べていきます。
屋上・ベランダに置けない理由は「重さ」ではなく「風」
屋上・ベランダ・バルコニーに物置を置けない、というのは販売店の案内でもよく見かけます。
その理由としてよく書かれているのが、「土台が物置の重さに耐えられないから」というもの。
現場の見方は少し違います。問題は重さではなく、風です。
台風などの突風で物置が倒れ、それが下に落ちると危険だから。これが据えない理由です。
結論は同じで、屋上やベランダには置けません。ただ、その理由が「重くて床が抜ける」ではなく「風で倒れて落ちる」だという点は、押さえておくと判断の芯がずれません。
点検口の上は、機種次第で置けることがある
雨水マスや水道の点検口の上は避ける、とよく言われます。これは半分正しく、半分は条件次第です。
分かれ目は、床材を外せる機種かどうか。
床材を外せる機種なら、点検口の上でも据えられることがあります。点検が必要になったとき、その部分の床をめくって下の点検口を開けられるからです。
ただし、但し書きがあります。土台のブロックを点検口の上に載せるのは不可です。
ブロックで点検口をふさぐと、いざというときに開けられなくなります。
「床材を外せる機種なら置ける」と「ブロックは点検口の上に載せない」は、セットで初めて成り立つ条件です。
なお、床材を外せる機種は、特定のメーカーに限った話ではありません。床材の扱いは機種ごとに違うので、検討中の機種の仕様で確かめてください。
木の切り株や急斜面で、据えるのをやめた場所
これまでに「ここには据えられない」と判断して見送った場所が、二つあります。
ひとつは、木の切り株や太い根が広範囲に干渉する場所。
木の根があれば必ず置けない、という話ではありません。問題になるのは、切り株や根が広い範囲にわたって地面の下を張っているとき。据える面に広く干渉してきます。
もうひとつは、急斜面・急勾配の場所。地面に多少の傾きがあるのはよくあることですが、傾きが急になると、土台側で吸収できる範囲を超えます。
傾斜の調整幅には、公開されている目安があります。アジャスター付きの機種なら高低差30mmほどまで調整でき、それを超える分は土台側で対応する、という説明です。これはメーカーが公開している数字の目安で、地面の状態によって変わります。
通り道でつまずくのは「幅」より「曲がり角」
置く場所が決まっても、そこまで部材を運べなければ据えられません。
家と塀のあいだのような狭いところに部材を通すとき、「これは通らない」と分かるのは、幅そのものよりも曲がり角であることが多い、というのが現場の感覚です。
通路の幅については、室外機などの出っ張りが無ければ幅60cmで人と部材が通る、という数字が公開されています。ただ、幅が足りていても、曲がり角で引っかかることがあります。
置き場所の広さと同じくらい、そこまでの通り道に曲がり角があるかどうかを見ておくと、後で「入るのに運べない」というつまずきを避けやすくなります。
まとめ
置ける・置けないは、置きたい場所の広さだけでは決まりません。この記事で挙げたのは次の点です。
- 屋上・ベランダ・バルコニーは置けない。理由は重さではなく、風で倒れて落ちる危険
- 点検口の上は、床材を外せる機種なら置けることがある。ただし土台のブロックを点検口の上に載せるのは不可
- 木の切り株や太い根が広範囲に干渉する場所、急斜面・急勾配は、据えるのを見送ることがある
- 通り道は、幅よりも曲がり角でつまずくことが多い
広さを測るとき、その外側にあるこうした条件も一緒に見ておくと、置ける場所かどうかの見当がつきやすくなります。