置きたい場所の広さを測る。そこまでは数字で決まります。ただ、同じ広さでも据えられない場所があります。ここでは、3社の公式が「設置しないでください」と書いている場所と、書いていない場所を分けて並べます。

屋上とベランダは、2社が名指しで禁止している

イナバの取扱説明書「設置場所の制限」に、設置してはいけない場所として挙がっています。

崖の縁や屋上・ベランダなど強風の影響を受け、安全の確認ができない場所

ヨドコウの「安全に関するご注意」は、3つに分けて書いています。

建物の屋上には、設置しないでください。

バルコニー等の避難通路にあたる場所には、設置しないでください。

崖のふち、風当りの強い場所等、安全の確認ができない場所には、設置しないでください。

理由は「重さ」ではなく「風」と書かれている

販売店の案内では「土台が物置の重さに耐えられないから」という説明を見かけます。ただ、2社の公式が挙げている理由は重さではありません。

イナバは「強風の影響を受け、安全の確認ができない場所」、ヨドコウは「風当りの強い場所等、安全の確認ができない場所」。耐荷重を理由にした記述は、確認した範囲では見当たりませんでした。

ヨドコウはバルコニーについて、風とは別に「避難通路にあたる場所」という理由も挙げています。置けない理由が1つではない、ということです。

公式が挙げている、避ける場所

イナバの「設置場所の制限」は、禁止と注意を分けて並べています。禁止のほうは、屋上・ベランダのほかに次の4つです。

  • 避難経路をふさぐ場所
  • 適切な転倒防止工事ができない場所
  • 家からの雪や雨水が屋根に直接落ちる場所
  • 給湯器の排気口付近

注意が必要な場所として挙がっているのは、枯葉が積もりやすい場所、整地・転圧されていない場所、隣地境界線付近、日陰や湿気の多い場所、凍結・凍上する場所、薬品や融雪剤の影響を受ける場所、塩害を受ける場所、それに屋根の出幅や施工・転倒防止工事のスペースが確保しにくい場所です。

地面の傾きは、アジャスターで吸収できる分だけ

地面に多少の傾きがあるのはよくあることです。本体の脚には高さを調整する機構があり、イナバのシンプリー(MJX)の組立説明書に、その範囲が出ています。

調整範囲0~32mmまで

同じ説明書には、地面そのものについての注意もあります。

地固めをしないと、内部に品物を入れた時に重みで水平がくるい、戸当たりが悪くなりますのでご注意ください。

この0〜32mmはシンプリーの数値です。機種ごとに違うので、検討中の機種の組立説明書で確かめてください。傾斜地そのものについては、イナバ・ヨドコウとも数値を出していません。

搬入の通路幅は、どちらも数値を出していない

置く場所が決まっても、そこまで部材を運べなければ据えられません。ヨドコウはこう書いています。

道幅が狭く商品の搬入が難しいと思われる場合、販売店へあらかじめご相談ください。

数値ではなく、相談してください、という書き方です。イナバの取扱説明書にも、通路の幅は出てきません。

この記事では以前、「室外機などの出っ張りが無ければ幅60cmで人と部材が通る」という数字を公開されているものとして書いていました。確かめ直しましたが、3社の公式に見当たりませんでした。取り下げます。物置の前後左右に空ける寸法と同じで、数値を出していない部分です。

点検口や雨水マスの上は、公式に記述がない

雨水マスや水道の点検口の上は避ける、という説明があります。イナバの「設置場所の制限」にも、ヨドコウの「安全に関するご注意」にも、点検口・雨水マスに触れた記述は見当たりませんでした。

この記事では以前、「床材を外せる機種なら点検口の上でも据えられる」「土台のブロックを点検口の上に載せるのは不可」と書いていました。どちらも公式に確かめられなかったため、取り下げます。

木の切り株や太い根についても同じです。イナバの注意の一覧に「整地・転圧されていない場所」はありますが、木の根に触れた記述は見当たりません。

まとめ

  • 屋上とベランダは、イナバ・ヨドコウとも公式に設置を禁止している
  • 挙げられている理由は「強風」「風当り」「安全の確認ができない」。耐荷重を理由にした記述は見当たらない
  • ヨドコウはバルコニーについて「避難通路にあたる場所」という理由も挙げている
  • 地面の傾きは、イナバのシンプリーでアジャスターの調整範囲が0〜32mm。機種ごとに違う
  • 搬入の通路幅を数値で出しているメーカーは、確認した範囲では見当たらない
  • 点検口・雨水マスの上について、公式に記述は見当たらない

公式が書いているのは、置ける場所の条件というより、置いてはいけない場所の列挙です。そこに当たらなければ、あとは屋根の出幅と転倒防止工事のスペースが取れるかどうかになります。実物は見ていません。